近みちするより 遠まわりしよう

勉強って人生の「近みち」だって言うけれど、「遠まわり」した方がきっと楽しい。 知識は頭にギューっと詰め込むより、楽しんでいたらいつの間にか満たされている方がいいに決まってる。 子供達のこれからに必要な沢山の知識を楽しんで自分のモノにしてもらいたい。

博物館にある恐竜の骨格標本はほとんどがレプリカです。でも安心してください、2019年の夏、科博にむかわ竜(実物)がやってきます。

むかわ竜が見れます!

いきなりですけど、むかわ竜が

今年夏に開催される国立科学博物館

恐竜博にやってきます!!

めちゃくちゃ個人的な感想ですが

とにかく嬉しい!のです。 

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むかわ竜のすごさをとにかく伝えたい!

という思いの強い今回の記事です。

 

むかわ竜、本当に凄いんです

何が凄いかというと、凄いポイントが3つあります。

・・・本当はもっとあるけど仕方ないので3つだけ。

 

1.全身骨格である事

 

2.日本最大である事

 

3.全身の8割以上の骨が残っている事。

 

この3点について書いてみたいと思います。

 

1.全身骨格である事

恐竜の全身骨格はめちゃくちゃ貴重です。

もちろん実物の。

 

大事なのでもう一度言います。

恐竜の全身骨格はとにかく貴重です。

 

そもそも死んだ全ての恐竜が

化石になるわけではありません。

恐竜が死んで、他の動物に食べられる事なく

誰からも荒らされることなく

土がかぶさって、圧力がかかって、

バラバラにならなかったものだけが

化石になります。

 

大概の恐竜を含む生物は、

死ぬと当然ですが、

他の動物に食べられるので、

その場で、バラバラにされて

骨も散りじりに散ってしまうのです。

そもそも、全身が残ったまま土に埋まる

ということがかなりのレアケースです。

 

また、恐竜は体が大きいので、

たとえうまく誰にも触られず、

化石になったとしても、

数千万年から数億年に渡る

地殻変動や川や雨による地層の侵食によって

化石はこわされれ、ここでもバラバラにされるのですが、

それを、偶然にもうまく避ける事が出来たものだけが、

形を残し、全身骨格になります。

 

もうこの時点で、可能性が

ものすごく小さいことがわかると思います。

 

さらにいうと、そうやって極めて運良く

化石になったもののうち、

たまたま化石ギリギリのところで地層の侵食が起こり、

さらに、たまたま人の目に触れる場所に

あったものだけが、発掘され、

全身骨格として掘り出されるのです。

 

2.日本最大であるという事

日本から恐竜の全身骨格なんてほとんど出ません。

理由は簡単。

日本は白亜紀、ほとんどが海だったからです。

日本で、恐竜の化石が出るのは、

白亜紀でも陸地だった北海道の一部と、

かつてユーラシア大陸の一部だった福井だけです。

*若干の例外あり。

 

それ以外はほとんど全て海です。

日本は、ジュラ紀白亜紀頃、浅瀬の海だったので、

国内で取れる化石は、アンモナイト、貝類、サメの歯

など浅瀬の海に生息する生物がほとんどです。

 

海に恐竜なんていません。

海に住むピー助こと首長竜は恐竜ではありません。

あ、魚竜はいるか・・

それでも、そもそも恐竜の化石自体とれないので、

さらに、全身化石なんてもってのほかってやつです。

 

むかわ竜は、海岸でたまたま死んで、

たまたま死体に空気が溜まっていて

たまたま海を漂流し、

たまたま、魚にも食べられずに、

たまたま、泥の層に沈んだという

超たまたまが重なった個体なのです。

 

3.全身の8割以上の骨が残っている事

上で書いたように、むかわ竜は

たまたまがめちゃくちゃ重なり、

他の生物に食べられずに泥の中に沈み、

そのまま化石化し、1億数千万年の時を経て、

 

またしても、

たまたま、化石ギリギリのところで

地層の侵食が止まって化石が露出し、

たまたま、そこをいつも通りかかる

化石マニアのおじさんに発見されるという、

時を経てもさらにたまたまが重なった

偶然の塊。

 

そんなたまたま王子のむかわ竜。

たまたまが極まって、全身の8割近くの骨が

その場に残っていました。

 

この8割という数字(さらに作業しているので9割近くかも)

ものすごいんです。

 

世界にある恐竜の全身骨格標本のうち、

ほとんどが実物は50%以下です。

 

日本では、ニッポノサウルスが60%程度ありましたが、

産地はサハリンです。

日本じゃない。

 

世界でも、80%超えている全身骨格は極めて少なく、

有名なのは、アメリカのフィールド自然史博物館にある

ティラノサウルスのスー。

こいつは90%が実物です。

下の写真のほとんどが本物の骨。

頭の骨だけは重すぎて、レプリカ使っていますが、

本物は、近くにガラスケースで保管されています。

2005年に科博に来ましたよね。

あれはすごかった。

今まで見てきた中で最強の標本です。 

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当時、上野に見に行きましたが、

動物園のあたりまで並んでいました。。。。

ちなみに、スーは発見後、

オークションにかけられて、10億円で落札されています。

それだけ貴重というわけです。

 

博物館でみる恐竜の全身骨格はほとんどレプリカです

博物館にいくと、恐竜の骨格標本がありますよね。

骨をつなぎ合わせて、恐竜の形をかたどっているやつ。

すごいなーと見上げたことがあると思いますが、

あれ、ほとんど全部レプリカです。

 

国立科学博物館ですら、ほとんどレプリカ。

実物を使っているものも数点ありますが、

それでも、骨の20〜30%が本物なだけで、

残りの70〜80%の骨はレプリカです。

 

国立科学博物館に展示してある

骨格標本の内訳です。

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ほとんどレプリカ。

 

科博で有名なのは、41番のステゴサウルスです。

ステゴサウルスの実物化石は、日本にこの1体しかなくて、

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他の博物館にある、ステゴサウルスは全て

アメリカの自然史博物館にある本物のレプリカです。

 

ちなみにステゴサウルスもスケッチしました。

 

 

ちなみに、26のトリケラトプスも有名で、

産状と書かれた個体。

産状とは、字のごとくで、産地の状態そのまま

の展示でこれは骨格標本ではないものの、

かなり美しい化石。

しかし、表の面半分しか存在せず、

裏の半分は、侵食されて無くなっている状態です。

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横になっている方が実物。

立って、全身骨格の方はレプリカです。

 

国立科学博物館ですら、こんな状態なので、

いかに貴重品なのかが、よくわかると思います。 

surasura2525.hatenablog.com

 

むかわ竜は2003年に見つかっていた

先程書いた通り、むかわ竜は化石マニアのおじさん

堀田良幸さんによって、散歩中に崖の中腹に

骨の一部が顔を出しているところを見つけられて、

発見に至りました。

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左のおじさんが、堀田さん。

割と有名なアマチュアアンモナイトハンターです。

トップの化石の横で寝っ転がってるのも堀田さん。

 

新聞や雑誌資料で発見者は北大の小林教授と

発表されていることがほとんどですが、

最初に発見したのは堀田さんです。

小林教授は、恐竜あるよと教えられて、

組織的に発掘作業を行った人。

 

しかも、堀田さん、数年前からある事は分かっていたが

いつ掘ろうかなあ・・・と悩んで数年経ってしまったとのこと。

実際にいくつか掘ってみたら、かなりきちんと尻尾付近の

恐竜らしき骨が出てしまったので、博物館に

依頼して、続きをやってもらっています。

 

しっぽの一部掘り出したあとは、なんの骨だかわからず

首長竜かなあ??と博物館も倉庫に

ほっぱらかしにしていたところを、

今度は、首長竜専門家の佐藤たまきさんが

倉庫に転がっていた、首長竜らしき化石を見て、

これは首長竜ではない?!と気がつき、

北大の小林快次教授に調査依頼し、

恐竜であることがわかり本格的に発掘が始まります。

堀田さんが見つけてから、ここまで10年。

 

それから、発掘とクリーニングに5年以上かかり

今に至っています。

 

ちなみに化石のクリーニングものすごく大変です。

私も、自分で掘った化石をクリーニングするのですが、

丁寧にやると、貝一つで

3日くらいかかったりします。

f:id:surasura2525:20190209012628j:plain写真は、自分が多摩川で発掘した1500万年くらい前の貝の化石。

化石がはっきり見えるようにする

クリーニングは結構大変です。

 

私は、2013年の発掘スタート時にこの話を知り、

それから、ずーーっと期待に期待を膨らませて

公開を待ちわびていました。

 

2019年恐竜博@国立博物館

主役はそう!

われらが!

 

デイノケイルス です。

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・・・え。。。??は????

 

なんでよ。

むかわ竜でしょ。

デイノケイルスって誰よ。

何言ってんの科博さん。むかわ竜でしょ。

 

むかわ竜、2番手です。

 

これまで、腕しか発見されていなかったデイノケイルスの

腕以外が発掘されて、

今まで、謎の恐竜とされていた正体が明かされる!!

 

・・・って、え????

 

デイノケイルスどうでもいいでしょ??

 

デイノケイルス派手だよ、羽生えてるし、かっこいいけど。

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それでも、むかわ竜、ポスターにしようよ。

ハドロサウルス地味だし、グレーだし、ズングリだけど・・

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実際、こっちの方が大発見でしょ??

デイノケイルスもすごいけど。

 

でも、みんなで日本の至宝、むかわ竜を見に行こう。

これを読んでからぜひ見に言ってみてください。

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私も何度も読みました。

 

ついでに(?)デイノケイルス見てあげるよ。